最初から迷ってない。

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「――ユーノくん!」 レイジングハートと一緒につい数分前、リンディさんの制止を振り切り、時の庭園へと転移したユーノくんが戻ってきた。 「ごめん、なのは」 ユーノくんが一言、謝ると、手のひらのレイジングハートが私に飛んでくる。 『I'm sorry my master』 「ううん・・・・・・」 レイジングハートがユーノくんについて行ったのは、自分の意思。 ユーノくんを一人で行かせたくなかったから、ううん、タクミくんを――助けたかったから。 俯いていた顔を上げた時にはもう、タクミくんを背負ったユーノくんは医務室に向かっていた。 「――――今、ユーノくんから念話がありました。プレシア・テスタロッサは虚数空間に落ち――生死不明」 ユーノくんが見えなくなってすぐ、リンディさんがそう教えてくれた。 ――もし、プレシアさんを連れて来ることができたとしても、それは幸せ・・・・・・だったのかな。 「――アルフさん、行こうっ」 「・・・・・・うん」 私は青褪めた顔色のアルフさんと一緒に、ユーノくんの後を追って、医務室に向かった。 医務室にはクロノくんもいる。 ひょっとしたら起きてるかもしれない、そんなことを思いながら。 「止めるべき、だったのかしら・・・・・・」 「ユーノくんのことですか?」 「――なのはさんをよ。管理局に引き込むなら、見せない方がいいのかもしれない・・・・・・もっと、精神が熟してからの方が・・・・・・」 「・・・・・・魔法の力がどんなものなのか」 「エイミィ、顔色が悪いわよ――――無力ね、私も」
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