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「――ボクが初めて攻撃魔法で傷付けるのが、君だなんてね」
残り少ない魔力を指先に集中。
魔力のメスを作り上げる。
ス――と白い肌に線が入って、血が私の顔に飛び散った。
「――は」
あたたかい。
――助けるよ。絶対に。
◇
医務室に飛び込んだ私を、クロノくんが制した。
「クロノくんっ、タクミくんはっ?」
「――見ない方がいい」
クロノくんの目の前のモニターを向こうとした私の目を、アルフさんが塞いだ。
――でも、手のひらの隙間から私は見た。
人とは思えないナニカが、ユーノくんの魔法で巻き戻されるように、人の形を取り戻していく瞬間を。
吐き気がした。
タクミくんを、ああしたのも魔法の力なんだ。
そんなものを、私はフェイトちゃんとクロノくんに撃ったんだ。
「――タクミはユーノが助ける。死なせはしないさ」
クロノくんの声が何だか遠く聴こえる。
「だからなのは。君は休むといい。疲れてるだろう」
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