436人が本棚に入れています
本棚に追加
「あのっ、私、謝りたいんなんですっ! ・・・・・・なんです?」
「・・・・・・うん、どうぞ」
若干引き気味に頷いたクロノが、先を促してくれた。
「えと、私、あなたが兄さんを連れて行ったって思って、それでっ、兄さんのアクセルを使って・・・・・・私の方が速かったから、一回・・・・・・? ううん、二回、バルディッシュで殴っちゃってっ。全力で殴って、あなたのことをボコボコにしちゃって、でもそれは私の勘違いでっ、なのにボコボコに叩きのめしちゃって、ごめんなさいっ!」
全力で謝った。
でも、クロノからの返事はない。
やっぱり、許してもらえない・・・・・・よね。
でも、許してもらえるまで謝らなくちゃ。
私が迷惑掛けちゃったから。
「あの・・・・・・私、あなたをボコボコに――」
「いや、もういいっ! 分かってる、君がワザと言っているわけじゃないのは! 許すっ、許すから!」
「あ――ありがとう」
安堵。
許してもらえた。
リニスが言ってた通りだ。
誠心誠意謝れば、相手にも気持ちが伝わるって。
「タクミといい、君といい、調子が狂う・・・・・・」
ばつが悪そうに頬を掻くクロノ。
「ごめんなさい・・・・・・」
「あまり簡単に頭を下げるな。アイツと同じ顔だから、変な感じがする」
言われて、頭を上げる。
こうして話してみると、改めてクロノがいい人だっていうことがわかった。
それなのに、私、勘違いでボコボコにしちゃった・・・・・・。
やっぱり、本局っていう所に連れていかれるんだろうか。
兄さんやアルフに会えなくなるのは、嫌だ。
でも、罪は償わなきゃ――
「それで、君のことなんだが――――多分、無罪だよ」
最初のコメントを投稿しよう!