それから。

4/14
前へ
/229ページ
次へ
「え――?」 「君たちの話を聞いて、理由を知って、事情を知って、君たちを無罪にしてあげたい――そう思った人たちがたくさん居たんだ。勿論、これは確定じゃないし、時間も掛かる」 驚く私を余所に、クロノは一拍置いて、 「だが、アルフやアイツと一緒なら、それも苦にはならないだろう?」 そう口にした。 私にはアルフがいて、兄さんがいて・・・・・・私がこんな幸せでいいんだろうか。 「――君のことはアイツから僕も頼まれている。僕に出来ることなら、なんでも言ってくれ」 そっぽを向いて、ぶっきらぼうに言い放つクロノ。 でも、その言葉にたくさんの優しさを感じて。 抑えていたものが、溢れ出す。 「うぁ・・・・・・っ、わ、私――」 涙でぼやける視界。 突っかかる言葉。 それでも、言わなきゃならないことがあるから。 「ぁ、あの子に、会いたいっ、です・・・・・・」 白い魔導師――高町なのは。 私に正面から向き合ってくれた優しい子。 私と友達になりたいと言ってくれた子。 会いたい。 謝りたい。 伝えたい。 感謝の気持ちを。 ごめんなさいとありがとうを。 私の口から、私の言葉で――伝えたい。 友達に、なりたい。 こんな私でいいのなら。 今からでも間に合うのなら。
/229ページ

最初のコメントを投稿しよう!

436人が本棚に入れています
本棚に追加