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「え――?」
「君たちの話を聞いて、理由を知って、事情を知って、君たちを無罪にしてあげたい――そう思った人たちがたくさん居たんだ。勿論、これは確定じゃないし、時間も掛かる」
驚く私を余所に、クロノは一拍置いて、
「だが、アルフやアイツと一緒なら、それも苦にはならないだろう?」
そう口にした。
私にはアルフがいて、兄さんがいて・・・・・・私がこんな幸せでいいんだろうか。
「――君のことはアイツから僕も頼まれている。僕に出来ることなら、なんでも言ってくれ」
そっぽを向いて、ぶっきらぼうに言い放つクロノ。
でも、その言葉にたくさんの優しさを感じて。
抑えていたものが、溢れ出す。
「うぁ・・・・・・っ、わ、私――」
涙でぼやける視界。
突っかかる言葉。
それでも、言わなきゃならないことがあるから。
「ぁ、あの子に、会いたいっ、です・・・・・・」
白い魔導師――高町なのは。
私に正面から向き合ってくれた優しい子。
私と友達になりたいと言ってくれた子。
会いたい。
謝りたい。
伝えたい。
感謝の気持ちを。
ごめんなさいとありがとうを。
私の口から、私の言葉で――伝えたい。
友達に、なりたい。
こんな私でいいのなら。
今からでも間に合うのなら。
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