それから。

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目的地が近づく。 フェイトちゃんに会える! それだけで、さっきまで悩んでいたのが嘘のようだ。 会いたい。伝えたい。 フェイトちゃんに。 海が一望できる公園。 其処に、みんなはいた。 クロノくん。 ユーノくん。 アルフさん。 フェイトちゃん。 「――フェイトちゃん!」 駆け寄って、名前を呼んだ。 怖いけど、それ以上に嬉しくて。 私に会いたい、そう言ってくれたことが。 「ぁ・・・・・・久しぶり、です」 少し、驚いたように目を見開いたフェイトちゃんが、すごく綺麗だった。 「ユーノくん、クロノくんっ、それに・・・・・・アルフさんもっ!」 ――アルフさんは、怖い。 あの傀儡兵というロボットを抜けば、最後に戦った相手だから。 プレシアさんと同じ、迷いのない瞳をしている人だから。 私はもう大丈夫、戦ったことは気にしてない。 でも、アルフさんはどうなんだろう・・・・・・。 「あの、私・・・・・・」 フェイトちゃんとアルフさん。 二人を目の前にした途端、どう言葉にしていいのかわからなくなる。 謝る・・・・・・? 違う。私はあの時の魔法を、間違いだとは思っていない。 最善ではなかったのかもしれないけど、後悔はしていない。 なら、伝えるべき言葉が見つかった。 「――――私、友達になりたい。フェイトちゃんと、アルフさんの二人と! 友達になりたいっ!」 喧嘩から始まる友情があってもいい。 私の言葉に、アルフさんがポカンとした表情を見せる。 でも、すぐに口の端を釣り上げて―― 「なら、まずはたっぷりと借りを返さないとねえ!」 「きゃあああ!?」 「こら、時間がなくなっちゃうだろ」 「あいたっ」 ぺちん、とアルフさんの肩に乗ったユーノくん(フェレットの姿)がその顔を叩いた。
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