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「どうしょう~私、鶏肉が食べれないよ。堂々と鶏肉が嫌いなのでこの唐揚げを残しますなんて恥ずかしくて言えないし、友達にあげるのもなんだかヤダだし…」
そう、彼女が嫌いなおかずは鶏の唐揚げである。唐揚げと言うよりも鶏肉いや、鶏そのものが嫌いらしい。物心がついたときから彼女は鶏に触れること事態を嫌ってきた結果、鶏肉までもが食べれなくなってしまったのである。
彼女が鶏の唐揚げをどのようにして残すか考えているうちに、先生や本日の日直が給食を食べる前のかけ声を言った。
「それではみなさん、いただきます」
「いただきまーすっ」
教室中に響き渡るような声でクラスの生徒は給食を食べる前のかけ声を済ませた。普段の授業ではまず出ないような声を腹の底から押し出したような声で元気よく発したために、鶏の唐揚げをどう残すか考えていた洋子は少しこの声にびびった。
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