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ヒュー パンッ バンッ パンッ
「なつくん、花火きれいやね」
南柘は目をキラキラさせながら、
「そうやねゆきちゃん!」
と笑顔だった。
そしてまた、何も言わずに空を見上げ合った。
やがて花火が終わっても、私はここから動かない、とただをこねた。
見かねた母はそうそうに諦め、知らないからね、と少し遠くに言ってしまった。そんな私に南柘は、
「ゆきちゃん、いこう?」
「やだ、ゆきまだ、花火見たいねんもん」
「じゃあ、みよう?来年も再来年も、これからずーっと、ぼくと一緒に花火見ようや?」
「いっしょに?」
と私が聞くと南柘は笑顔でうん、と答えた。
これが約束。幼かったあの日交わした、南柘と私の。
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