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休み時間、ぼんやりと見上げた空は澄み渡る青空。そこに白い入道雲が膨れ上がって浮かび、真夏に良く似合う景色だ。
「柚季(ゆき)~」
そう言って走ってる親友の実沙。
「ん?どうしたん?」
「今年の夏休みの花火大会一緒に行こうや!」
「はなび...たいかい..」
何故かぼそぼそと呟く私に、実沙は不思議そうに言う。
「そやで!花火大会。一緒に行こうなあ」
「ごめん。私花火大会は先約が...」
「えー!花火大会は絶対柚季と回ろうと決めとったのにー」
残念そうに言う実沙。
「本間ごめんなあ、実沙」
「んーいいけど、男なん?」
実沙がにやりと私の顔を覗く。
女の子が大好きな恋のお話。
「男は男やけど...」
渋る私に実沙はここぞとばかりに攻め寄る。
「白状しぃや。柚季!」
それと同時にチャイムが鳴る。
また後で聞くからな、と実沙はあわてて席へ戻った。
花火大会か....。
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