_scene 2.

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「柚季、はよ走りぃや!!」 そう私に怒鳴りつけるのは、幼馴染の南柘。 私は乱れた呼吸を整えながら負けじと叫ぶ。 「あかんて、もう諦めよやあ~」 「何言ってんねん!まだセーフや!ほれ!」 私の目の前に差し出される私より大きな手。 その手を見た時、少しだけドキンっと小さく心臓が疼く。 「何ぼーっとしてんねん!はよ!」 見かねた南柘が私の手をひっぱり、速度を上げながら走りだす。 丁寧に塗装されたコンクリートの地面を駆け、いつもの赤坂のおじいちゃんちの庭を抜ける。 「おはようさん。」 今日もおじいちゃんは笑顔であいさつをくれる。 「おじいちゃん、おはよう」   私も答えると、また忙しく、走り出す。 いつもの校門が見えてくる。 校門をくぐり抜け、校舎に入るとタイミング良く、チャイムの音が響く。
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