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今日は、待ちに待った全国大会の決勝戦の日。
そして、私が中学に入った頃からずっと思い続けて来た相手、幸村清市に告白をしようと決意した日。
今は決勝戦が始まる30分前で、皆はアップしたりとか、ケーキ食べたりとか、頭刈ったりとか皆色々やってる。
私もビデオカメラの準備が終わり一段落して、清市を呼び出しておくのは、今しかチャンスがないと思って、観客席のところで皆から少し離れたところに一人で座っている清市の肩を軽く叩きながら話しかける。
『清市、今、少しだけ…話せる?』
『あぁ、いいよ。どうしたの?』清市は私のほうを見て、優しく微笑みながらそう聞き返してくる。
『あ、あのね…決勝戦が終わった後で、清市に話があるんだけど…時間あるかな?』
少しどもりながらも私は清市にそう伝えた。
そして、清市は少し考えたあとに小さく微笑みながらそう答えた。『あぁ、いいよ。…そうだな、今日は試合が終わった後、少しミーティングをしてすぐに現地解散だから、今日は一緒に帰ろうか。その時に、話を聞かせてくれるかい?』
『あ…ありがとう。もちろんいいよっ!』
私が清市の言葉に頷いてそう言った後、少しして審判が整列するよう選手に言ってきた。
そして、決勝戦が始まった。
相手は青春学園。
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