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やぁ同胞。でもそのコブならわし取れるぞ。
曰く彼は魔法使いらしい。
遠い世界から旅行に来たのだ、そうとも言った。
返事を返す暇もなく、魔法使いの指が金色に輝く。
どれだけ時間が経ったのかわからないけれど
そっと眩しさに閉じた目を開ける。
そこには相変わらず腰の曲がった凛々しい顔をした白ひげの人間。
ふと背中の違和感に気付く。
首を動かして109のショウウィンドウに映る自分を見てみる。
そこには凛々しい顔に優しい目。白い柔らかい毛並み、黒ブチの犬がいた。
ほかには誰もいない。
ただ僕だけがいた。
そこに風が吹く。
とっさに鼻の穴を閉じる。
仰向けに倒れてみる。
やぁ同胞。気分はどうじゃ?
あぁ
とっても楽だ
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