火事

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火事

寝ていた時の事… どこからともなく消防車の サイレンの音が聞こえた。 その音は、だんだん近くなり 俺の住むマンションの前で 止まった。 消防車は、3台立て続けに来た。 そして、その後ろには救急車。 ベランダのドアを 開けると 消防士さんが、拡声器を持ち 「すぐに避難して下さい」っと 言っている。 事の重大さに気がついた。 俺の住むマンションは、全室、 消火器の備え付けが義務付け られており、玄関に置いてある 消火器を持って、部屋を出た。 すると、マンションの住民が 消火器を使いながら、階段を 降りていた。 火の気は、すぐそこまで来てる 俺も消火器を使うが、使い慣れ ないせいか?焦ってるせいか? 左手で持っていたホースが、 手元から離れ、乱射してしまう 白い粉は自分の顔にかかり、 ドラマのコントみたいになる。 そんな事気にする余裕もなく、 口に入ってしまった白い粉を、 ペッ、ペッと吐きながら階段を 降りると、何とも言えぬ感覚で 目が覚めた。 俺は「電車」の中にいた。 全てが夢だったのだ。 しかし…ツバを吐いてたのは 現実だった。 俺の周りで人が避難していた。
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