ネクスト

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「俺の魔法は、ただ蹴って殴って・・・・・・それぐらいしか出来ませんよ」 実際、それぐらいしかできない。 戦闘以外には、災害救助ぐらいならできるかもしれないけど。 「だが、戦闘能力だけを見れば、君はかなり高みにいる」 「それだけですよ。戦闘しかできない奴を局に入れて、どうするんですか?」 「――――どんなものにも、使いようはあるということだよ」 一瞬、グレアムの瞳に暗い光が宿った。 ・・・・・・おお、怖い怖い。 しかし、すぐに温和な笑顔に戻り、俺を見つめてくる。 「・・・・・・俺は、管理局には入らない」 「ふむ・・・・・・」 俺の言葉に、考えるように手を顎に添え――――おもむろに立ち上がる。 そして、窓の外に視線を向けた。 両手を後ろに組んで、 「――恐らく、私は君の妹の保護監察官になるだろう。クロノが持ってきた事件だからね」 「・・・・・・? そうですか。その時はフェイトを、妹をよろしくお願いします」 原作でもそうだったし、変わらないだろ。 「こう見えても私は、管理局内でもそれなりの発言力を持っている人間でね」 「・・・・・・そう、ですか」 見た感じ、偉い人ですもんね。 「君の妹さんの罪を軽くすることはできない・・・・・・それぐらい、クロノたちはよくやってくれている」 ああ、知ってる。 「だが、裁判を優先して受けさせることぐらいなら、私にもできるだろう・・・・・・」 「・・・・・・」 「――――君は、管理局に興味はあるかね」
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