これから。

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若干怖いくらいに目を見開いているフェイトと目が合う。 「――――にい、さん?」 「うん」 「・・・・・・兄さん」 「うん」 「兄さんっ!」 これぞ兄妹の感動の再会ってやつだね。 うん、兄妹。 他意はない。 抱きついてくるフェイトの頭を撫でながら自分に言い聞かせる。 「――――起きたのか。ちょうどよかった」 「フェイトみたくしろとは言わないから、もう少し反応しろよ」 変わらず仏頂面のクロノ。 ていうかフェイト吹っ飛ばしたのお前か、二度ならず三度までも・・・・・・。 「じゃ、そういうことだから。お兄さん?」 ニヤリと笑みを作り、局員に言い放った。 「――ま、また騙された!」 はっ、騙される方が悪い。学習しようぜ? 「兄さんっ、兄さん!」 「ごめん、心配掛けた」 「うん――でも、また会えたから、いいよ・・・・・・」 フェイトが離れてくれそうにありません。 マザコンでブラコンの妹・・・・・・あれ? フェイトって最高の妹じゃね? 「落ち着いてからでいい。君の活躍を聞いて、会いたいと言っている人がいるんだ」 嫌な予感。 というより、確信。 「ギル・グレアム提督――僕の恩人だ。会ってあげてくれ」 『マスター。はやて、から、メール、電話、合わせて、二十一件、です』 「兄さん・・・・・・」 じょ、冗談じゃ・・・・・・。
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