第二章

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◆  「仁は人助けが趣味って変わってるよね」  「ん? そうかね? まぁ、変わってるといや変わってるかも」  場所はうってかわって歌舞伎町。雑談を交わしながら移動していると、気付けば都心へと戻っていた。人が少ない新宿公園とは別ににぎやかな人垣が存在していた。なお構わず話をしていると天塚自信が喉が渇いたとの事でしばし休憩を始めた。適当に人が通らないそこらの場所を椅子代わりにして、天塚が買った飲料ドリンクを二人はちびりちびりと飲みながら雑談をしていた。そのテーマは天塚仁の趣味についてである。綾坂燕は友達のことを詳しく知ろうとしているのだろう。  「何かキッカケ見たいなものはあるの? 人助けしようと思ったキッカケ」  「あぁ、あるよ。もともと人助けは友達の趣味だったんだよ」  「へぇ、変わった友達だね」  「俺もそう思う。その友達ちょっと病気で外出れなくなっちゃってさ。自分が帰ってくるまで自分のやりたいことを代わりにやっておいてって言うお願いをされてね。俺はそれを律儀に叶えてる訳だよ」  へぇ~と楽しそうに頷く燕。元々天塚は話術が得意なのか彼女は彼が話せば話すほど彼に心を許していた。楽しそうにそれでそれでと話を催促する姿からは数十分前の悩みは晴れてるかのように見える。そうなると彼女の気晴らしを趣旨とした彼の提案は成功ともいえよう。  「その友達って女の子なの?」  「あぁ、女の子だね。俺のちょっと下ぐらいで……四年前の話だから俺が十七歳。アイツが十六歳ぐらいかな? ってことは今アイツは二十歳ってとこか」  「もうお姉さんぐらいの年だね。その人美人?」  「んー、まぁ可愛い部類には入ったんじゃないかな? 体は小さいし、最初会った時は中学生とか思ったもん。あ、でも四年も経ったし高校生ぐらいには見えるかもね」  「そうなんだ。一度会ってみたいなぁ」
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