無色に落とされた色は

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前進する――それしかないだろう。 何もかも未知で、目的地が…それさえあるのかどうかわからない。 けれど、行動するしかない。 せめて、景色に変化が訪れ、糸口と呼べるものに行き着くまで。 この自然になんとか対抗出来そうな…道と呼べるものさえないのだが…歩きやすい足場を選択していった。 足の裏に柔らかな反発を、そしてそんな葉が肌を撫で上げるもどかしさを感じながら―― ――どのくらい歩いただろう。 感情、更にはこの地も相まって、その一歩にも相当な気力を要する。 きっと、さほど進んではいなかっただろう。 ―――― ――
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