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「いいか! 俺は犯罪なんて万引きが精々の男なんだよ! 今回の強盗はノリでやっちゃったようなものなんだ!」
「威張って言うことじゃないと思うわよ」
「今まではゼ○ガメを率いてト○ワの森でブイブイ言ってたけど、今回はそれにコ○ッタとキャ○ピーとビー○ルとトラン○ルを率いてマチ○に挑戦するくらいの無謀を冒したんだよ! この上殺人なんて、ゼ○ガメ単体でハ○ダの洞窟に挑戦しろって言ってるようなものだぞ!?」
「意味わかんない例えなんだけど」
「つまり、殺人なんて俺には荷が重すぎるんだよ!」
「よく強盗しようと思ったわね」
俺が巻くしたてるように言うと、彼女はまたも思案する顔をした。
「ていうか、本当に何で強盗なんてしようと思ったの? しかも、わざわざ銀行強盗なんて」
「あ? どういうこと?」
「銀行強盗なんてそう上手くいくものじゃないわよ」
「ん…。あぁ、そういうことか。捕まった仲間の一人が銀行の金庫のロックの外し方とか場所とかを知ってたんだよ。だから、銀行員に開けさせるなんてしないで、すぐに終えられる仕事だったのさ」
「それなら泥棒にすれば良かったじゃない」
「………」
その一言で、俺たちの間に冷たい風が吹いた。
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