序章

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そして参加表明が次々と上がり、俺自身もこんな生活から抜け出せるチャンスかもしれないと思い、参加した。 というか、全員参加した。 俺達は必要な物を確認すると、それらを集めるためにそれぞれ役割分担をした。 ま、俺の長年の万引きスキルが役立ったわけさ。 武器の調達は物が物だから、なかなか困難だったが上手くいった。 そして、今朝の昼。 俺達は決行した。 かなり緊張したけれど、どうにか上手くいった。 いや、上手くいきかけた。 出だしは完璧だった。 苦労して手に入れた銃を向け、恐怖でその場にいる者たちを萎縮させる。 銀行員が警察を呼べないように客たちと同じ場所に立たせる。 スムーズに金を手に入れ、僅か数分でことを運ばせた。 さぁ逃げるぞといった時だった。 パトカーのサイレンが聞こえた。 俺達は困惑した。 何でだ!? 何故こんなに早くパトカーが!? だが、俺達はすぐに答えに行き着いた。 顔を見られちゃマズい。 というわけで、目だし帽を被っていた。 公園からな。 目出し帽を被った五人が、銀行に入っていく所を見た。 あなたならどうする? つまり、衆人環視の中でそんな集団が銀行に入っていったら通報されて当然だった。 俺達は一目散に逃げた。 だがここで思わぬ誤算が出た。
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