序章

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金は俺が持ち、俺は打ち合わせ通りのコースを走った。 走って走って、走りまくったのだが……俺以外の四人がやたらと遅かった。 走りながら振り向くと、ゼーハー、ゼーハー、ヒュー、ヒューっといった感じに走っている四人。 ……忘れていた。 彼等が四、五十代ということではない。 ろくな飯を食ってないから体力のすり減りが激しいのだ。 お陰で仲間はすぐに捕まり、それどころか座り込んで警官を待っている奴までいた。 というか、そいつは提案した奴だった。 俺も諦めるか、と思ったが、持っている札束を見た瞬間にその考えは吹き飛んだ。 意地でも逃げ切ってやる。 だが、体力のすり減りが激しいのは俺も同じだ。 警官が確実に俺に迫ってきた時だった。 横断歩道を渡ろうとしている女子高生が目に付いた。 俺は無我夢中でその女子高生を捕まえ人質にした。 女子高生のこめかみに銃を突きつけ、警官を怯ませる。 ラッキーなことに近くに駐車場があり、幸運にも自動車から降りてくる男がいた。 俺は男に銃を突きつけ自動車を奪い、逃走した。 女子高生は助手席に座らせ、人質にした。
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