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「全く、人の自殺を勝手に止めといて、その上こんなわけの解らない場所に連れてかれて……私の人生終わりよ!!」
自殺願望者の女子高生は頭を両手に抱えるようにして天井を仰いだ。
支離滅裂も良いところだ。
俺たちがいる廃ビルの周りに人気はなく、周りには林がある。
立地条件から考えて、ビルって言うよりホテルかな。
廃墟と化したらどっちかイマイチ分かりにくいものだ。
「お前うるせぇよ! ビルん中で叫ぶんじゃねぇ! 音響きまくってんだろ!!」
「あんただって叫んでんじゃない! 命令しないで!」
この女、自分の立場を解っているのか?
「黙れっていってるだろうが! 頭吹き飛ばすぞ!」
「上等じゃない! 願ったり叶ったりよ! さっさと引き金を絞りなさい!」
俺が銃を向けると女子高生は銃身をを掴んで、自分の額に押し付けた。
何でこんな奴が人質なんだよおぉぉぉ!
「もう、あれだ。もうお前、人質失格。どっか行っていいよ。餓死でもしてろ」
「ふざけんじゃないわよ! 私、餓死だけは絶対に嫌よ!」
「何でだよ!?」
「餓死ってどんだけ辛いか知ってる!? 半端じゃなく辛くて長い時間が必要なのよ!」
もう挑戦済みだったらしい。
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