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「はぁ……。本当に最悪。溺死しようとすれば漁師に漁獲されるわ、焼死しようと思えばオバチャンのサイレンで助かるわ、投身自殺しようと思えば受付嬢に入社拒否されるわ、餓死しようと思えばポテチの誘惑に負けるわ…。そして事故死はこんな目に遭うとは」
「……後半はお前がバカなだけじゃないか?」
というか、結構神様に愛されてるんじゃないか?
「なによ! あんた、私に恨みでもあるの!?」
「いや、無いけど」
「なら殺して!」
「何で!?」
「これも人助けの延長よ!」
「そんな重すぎる人助けあるか!」
すると、女子高生は銃を指差した。
「私の頭をそいつで撃ち抜くだけでしょ!! 避けたりしないわ! ゼロ距離で撃ちなさい!」
「ダメだ!」
「何でよ!?」
「銃弾だって高いんだ。無駄にできないね」
「ケチくさいこと言ってんじゃないわよ」
二人揃って溜め息を吐いた。
そこで俺は気付いた。
そういえば、まだ名前も聞いてなかったな。
「お前、名前は?」
「何であんたに教えなきゃなんないのよ?」
「いいから教えろよ。名無しじゃ呼びにくいだろ」
「教えたら殺してくれる?」
「どんな交換条件だよ!」
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