棄て猫ミィの物語(2)

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学校が終わり…、急ぎ足で…、あの日と同じだ…ミィを連れて帰った日も、こんな風にどんよりした空と雨の日だった…。 信哉は、まさかと思いながらも、公園で足を止めて、中に入って行った… !!!!!!ダンボール! 信哉は、水溜まりも気にせず走ってダンボールに向かった。 …そこには、張り紙が…前と同じように貼られ、にじんだ文字を見て、僕は泣いた…。 [この仔の名前はミィと言います。子供がとてもかわいがっておりましたが、事情があり飼えなくなりました。どうか、この仔ミィを大切にして下さる方…育ててあげて下さい!!] にじんだ文字だけど、はっきりママの字だと分かった。 でも、ダンボールの中にミィの姿は、もぅありませんでした。 肩を落とし、トボトボと涙を流しながら家に帰った。ただいまも言わず僕は、布団で沢山泣いた。『ミィ…お願いだから、帰ってきて…』 夕食の時、カゴを見た…ミィは居なかった…。 ママとパパは、僕にきっと帰ってくるよ…と言った。 嘘つきのパパとママ…、僕は何も話さずご飯を食べ、小さな声で「ごちそうさまでした」と言って部屋に戻った。ミィと一緒に写した写真を眺めて泣いた。お風呂に入って泣いた。
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