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数秒後に声が出た。
「い、いだい…」
ボクの後頭部をイボ熊ジジィが素手でバシンと張り飛ばしながら言った。
「早くせんか!!」
目から火花が出て鼻の奥に血の匂いがした。
それでもボクは助かったと思っていた。
後頭部へのビンタよりもイボ熊ジジィが繰り出す横っ面への中ビンタは強烈だった。
イボ熊ジジィの気合い声に後押しされるように、太郎や仲間達が顔を洗っている洗面所の方へ、フラフラしながら歩いた。
「走らんか!!」
「は、はいっ!」
寝起きでいきなり地獄である。
まだ太陽も昇らぬ冬の日の朝5時の事であった。
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