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余計な手間かけさせやがって。ちょっと恥ずかしかったよ。なんで俺も英語なんかで言おうと思ったんだろ。く~なに澄ましてんだ、このヤロー、俺だけが無駄にテンション上げてバカみてぇじゃん。あーもう、シャツの肩のところのシワを気にするなシワを。思ってるほどパリッとしてなかったぞ。
「で、道はあってんのかよ」
「お前がまえ歩いてたから俺はお前に付いて行っただけだ」
ふっつーのトーンで言いやがって、だから肩のところを触んなよなー、嫌味ったらしい。
「俺はもうずっとここには来てねぇよ。だから、さっきから道あってるか聞いてんのに、お前はなんのリアクションもないしよー。大体、並んで歩けよな、俺がスピード落としたら、なんでお前までビミョーにスピード落とすんだよ、付かず離れずってなんの尾行だよ、って人が話してるときはこっちを向けぇ!」
あっ首無理やりこっち向けたらグキッて。
「痛い。力、加減しろよ、今グキッて」
「お前がこっち向かないで、違うとこ向くからだろーが。人が話してるそばから違うとこ向くとはどういう神経してんだ」
うつむいたまま首さすって、ちょっとやりすぎたかなー。
「とりあえず、ここまで一本道だから間違えようもないし、早く先行こーぜ。腹も減ってるし」
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