空腹とケータイと相方と

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空腹とケータイと相方と

はぁ~、暑いわ、腹は減るは、足痛いわ、相方はしゃべんねーわ。早く家に帰りてぇー。お母さん心配してるかなぁ、夏休みで帰ってきたと思ったら毎晩毎晩朝帰りしてちゃーなぁ。よし、今日はずっと家にいて家族団らんってやつでもしてみるか。夕飯なにかなぁ。カレーだな、カレーをリクエストしよう。うちのカレーは肉ケチケチせずにふんだんに入れるからな。野菜より肉のほうが多いなんて、わが母ながらイケてるぜ。隠し味に生クリーム入れてるみたいだけど、あれはやっぱり意味あんのかな。ポテトサラダも作ってもらおー。あ~よけいに腹減ってきた。カレーのことなんか考えるんじゃなかったよ。後ろを振り返ってみれば…もう差ができてるじゃん。人の話し聞いてんのかアイツは。あー知らん知らんあんなやつ。  暑~。太陽が真上、よりはちょっと傾いてるところにある。今ちょうど一時、いや二時ぐらいかな。ケータイは、あっ、そっか忘れてきたんだっけ。店の人、キープしてくれていると信じてるぞ。 「お前、ケータイ持ってる~今何時~」  腕時計はしてなかったはずだだけど。ポケットごそごそして、おっ持ってるぽいな。なんか、いじってるみたいだけど、あれっ、両手で×ってどういうこと。 「電池ないのかぁ?」  なんか身振り手振りしてるけどわかんねぇよ、っていうかいちいち立ち止まんなよなー。あーもう、こっちから行かないとダメか。足痛いのにわざわざ戻らせやがって。このサンダルあわねぇなぁ。家にあるのとりあえず履いてきただけだから。まさか山道歩くとは思わなかったし。
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