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「これいけるよ。渇いたのどにはぴったりだな」
おおっ、すっげぇ勢いで食ってるけど、コイツものど渇いてたんじゃん。
「のど渇いてただろ。お前チョコレート食いすぎなんだよ。でも、マジいいタイミングでこの実なってたよな」
こっちのことなんかお構いなしで、両手つかって食ってるよ。けっこうなってるけど、ほとんど奥のほうだな。この緑のやつはダメだろ。あと黄色くなってるやつも。
「赤くないのはさすがにヤバイよな」
ビミョーなのはやめとこ。柿だって緑はダメだし。にしても一口でいけるから止まんねぇよ。
手前の方はほとんど取り付くしたな。奥の方まで入ってってとるのはちょっとなー、なんかいるかもしんないし。のどもだいぶ潤ったし、別にもうそこまでして食いたくないからいっか。慣れてきたらあんまうまくないし。
「この実ってここにしかなってないのかな。お前なんで図鑑なんか写メで撮ってんだよ。そんな植物とかに興味あったけ。理科好きだったけ?食ってばっかねぇで人の話し聞けよ!」
「痛い、痛い、耳引っぱるな、鼓膜が破ける」
「大げさだろ。そんだけで鼓膜が破けるか。耳がちぎれるとかだったらちょっとはわかるけど。この実ってここにしか生えてないのかな。こんなのガキのころは見たことなかったぞ。他にもなんか食えそうなもんなってねーかな」
少しは手ぇ休めて食うのやめろよなー。口の周り真っ赤なんだよ。シャツにもついてんじゃん。黒だから目立たないけど。シワはダメでそれは気になんないのかよ!
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