夕日は沈む、アナタは裸

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元気だなコイツは。ふぅー、マジでどうしよう。あと一時間ぐらいかな、日没まで。なんで途中で引き返そうって考えなかったんだろ。そうだ、コイツが前歩いてから道あってると思って、いや、でもはじめは俺が前歩いてたよな。それよりも、歩いててもなんか、ビミョーに見たことある風景のような感じがするから。だから、迷ったなんてまったく考えもしないっていうか、うん、今だって、さっきの河原とちがうのはわかるけど、な~んか来たことがあるような、ないような。うつ伏せになって動かないけど、なんのつもりだろ。水死体みたいだな。ケツ見せんなよなー、色白いなー、ガリガリじゃん。裸になっちゃいけない体だろ。なんて自然にマッチしてないんだ。でも植物にはくわしい。なんとか帰る方法ねぇかな。無理やり草木の中突っ込んでったら、すぐ道路がありました、なんてオチはないのかよ。って言っても、草木の中通る気はないけど。裏山って言っても決まった道しか知らないし。つーか一本道だったと思うんだけどなぁ。あれっ? まだ起き上がんないよこの人は。
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