夕日は沈む、アナタは裸

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山ん中で真っ暗っていうのはさすがに…懐中電灯もないし。あっても嫌だけど。今でもちょっと怖いもん。陽が落ち出してくると急に寂しくなってきた気がする。太田すまん、あんなにネタにしておきながら、今けっこうビビってます。しかも二十三にもなって。そのままいたほうがいいのかなぁ。水もあるし。第一、足痛くてこれ以上歩く気しないし。でも腹減ってるしなぁ。このままじゃもたねぇよ。あの変な実がなってたところまで行ってとってくるかぁ。いや、あそこまでもそこそこ距離あったし、もう山の中はそーとー暗いはずだよ。林の入り口のところももう先は暗くて見えにくいもん。だいたい、あんな実のためにあそこまで行く気がねぇ。いくら食べたって腹は膨れねぇだろうし。アイツ、チョコレートもう持ってないかな。甘いもんはそんなに食べたくないけど、よく映画なんかで遭難したときチョコレート少しづつ食べて生き延びたりしてたような。う~ん、どっか抜け道みたいなのないのかなー。あったとしてももう遅いか。ダメだ、腹減ったのと疲れてるのでなーんも思い浮かばん。陽が沈んでいく、空が赤い。もう片一方はもう暗くなってきてる。…もう一泊ここですんの?考えられない!昨日は酔った勢いだから寝れた、っていうかつぶれただけだけど、シラフでどうやってこんなとこで寝ろっていうんだよ! っていうか腹減って寝れねぇよ。
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