夕日は沈む、アナタは裸

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家に帰りた~い。二日も帰んなかったらさすがに心配するよなぁ。しかもケータイはつながんないんだから。あー昨日の酒がぁ。やっぱ若さにまかせて深酒はいけないなー、禁酒しよう、禁酒。コールをかけられたって、もーのらん。あんなの時間と金の無駄だ。って忘年会のときあたりから言ってるような。アイツはマジで寝ちゃったのかな。あんなやつでも一人でいるよりはずっとマシだな。トランクス濡れてるのに寒くないのかな。上もなにも着てないし。陽が落ちてくるとさすがに少しは冷えてくるかも。一応山だし。やれやれ、よっと、アイテッ! 油断して皮むけてるところに重心かけてしまった。でも、水に不自由しないのがせめてもの救いだな。おー見事に大の字だな。脱ぎ散らかしたやつを集めて、ほらよ、シャツ一枚かぶせるだけでもちっとはマシだろ。こんなやつなんかになんて優しいんだ、俺は。マジで寝てるみたいだな。起きてるときも目が細いから近づいてみてやっとちゃんと寝てるかどうかがわかる。にしてもこの顔の細かい傷はどうしたんだろ。コイツ「覚えてないのか」とか言ってたよな。やっぱ俺が原因なのかな。全然覚えてないけどなぁ。ホントに熟睡してるみたいだな、よくこの状況下で。石除けたとはいえ背中痛くないのかな。起きたときが大変なんだよ。腹減ってないのかな。あの変な実とチョコレートだけでは、いくらこのキン骨マンといえども栄養補給は足りないだろ。はぁ、なんか一気に疲れが。そりゃそうだよな。今日いったい何キロ歩いたんだっていう話しだよ。腹減ったなー、風呂はいりてぇ、っていうよりベッドで寝たいよ。う~ん。
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