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んー別に流れも速くねぇし、浅いし、サンダルだから足濡れてもいいけど、でも濡れないように。石の上を、おぉ、冷てぇ、やっぱ無理か。夏でマジよかった よ、冬とかだったらマジでやばかった。この水って飲めねぇかな、さっきからメッチャのど渇いてんだけど。いやーいくらなんでもなぁ、そのままっていうのは なぁ、生水を。だいたいそんな清流イメージないし。まっ、ガキんころは素で飲んでたけど。いや、あのときは勢いあったし、いや逆に今のほうが抵抗力はある し、いや、でも。
「この水飲めっかなー」
……ハイハイ反応なしね。んっ? なにゴソゴソして、あっ! ペットボトル出しやがった。
「おーいいもん持ってんじゃん。俺の分も残しといて、ってなにハイペースで飲んでんだ! オイ、バカ、俺の分も残せってば!」
信じらんねー、あのバカペットボトル逆さまにして、飲み干したことアピールしてやがる。
「ふざけんなこの薄情もん!そっち行ったら覚えてろよ」
あー人が飲んでるの見たらよけいのど渇いてきたよ。これマジで飲めねぇかな。
「うわっ!」
イッテェ、あちゃー滑っちゃったよ。う~手をついて被害は最小限に抑えた・・・かな? ズボンがちょっと濡れただけ。げっ! 下にもビミョーに染みこんできた。気持ち悪い~。
「スタンドアップ」
はっ?
「スタンドアップ」
えっ?
「ステェ~ンドアップ」
やっと喋ったと思ったら英語かよ!
「なにがスタンドアップだ。転んだんだから大丈夫? とかだろフツー。しかも第一声が英語かよ」
こうなったら一気に渡って一言アイツに言ってやらねば。とりあえず立って、うん、擦りむいたりはしてないな。もう濡れようが転ぼうが関係あるかー、待ってろよー山田ぁー。
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