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風が気持ちいい、気を揺らす音もいい感じー、これでなんか飲むもんさえあったらなー。アイツは、体まで洗ってんのか。傷しみるだろ、あれっ、今、手ですくって飲んでなかったか。…やっぱり川の水飲んでる!
「お前チャレンジャーだな、なんの迷いもなく飲むとは」
俺も飲んでみようかな、あのヤロウ、これ見よがしに次々口のところに手を持っていきやがって。…よしっ俺も飲もう。別に死にゃーしねぇだろ。
さっきは冷たいと思ったけどそうでもないな。起きたばっかだったしな。今日も暑くなりそうだし、濡れたのもソッコーで乾くだろ。手ですくって、う~ん見 た感じ時はきれいだよなぁ。まずは顔洗おうっと、ぷはっ、う~生き返る、気持ちいー。もっかい、ぷー、あー完全に目が覚めた。よしっ、いよいよ飲むか。な んとか菌とか大丈夫だろうな、いや、こんなに透明なんだから大丈夫なはずだ。ん~うめぇ、水がこんなうまいのって部活やってたとき以来だよ。あーのどが潤 う~。マジうめぇよ、飽きるまで飲もー。そりゃコイツも飲むわなぁ、つーかこれなんとかの天然水とかと張るんじゃん。
「ここの水飲めるね、っていうか全然おいしいよ。お前飲めるの知ってたの? ペットボトルに入れて持って帰れば」
そういえば今何時だろ。
「なぁ、今何時か、うわっ、バカやめろ、ふざけんな、水かけんじゃねーよ、やめろって、コノヤロー、オラオラ、ハッハッハッ」
倍にして返してやったぜ。
「オメェが悪いんだからな。お前は上脱いでるからいいけどよー、俺は上濡れちゃったよ、下も乾いてないのに」
なんなんだよいったい。
「お前時計してる? してないか、ケータイは?」
……素通りしてんじゃ
「ねぇよ! オイ! いいかげんにしろよ、いくらなんでも無視しすぎだろ! 昨日どうしたんだよ。俺がなんかやったのかよ、つーかなんで俺らはここにいんだぁー」
前に回り込んだからにはなんか言うまで、ディフェンスは解かないぜ。西高のエースキラーとまで呼ばれた、自分のチームにしか言われてなかったけど、俺の ディフェンスをなめんなよ。…うっ、間近で直視されると細い隙間から光る視線がちょっと怖い。なろっ、俺からは目ぇそらさねぇし、一言も発しねぇぞ。…… 沈黙がつらい。いや瞬きできねえのはもっとつらい。こいつはいいよ、少ししか開いてねぇから空気の抵抗をあんまり受けないんだよ、きっと。
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