智ちゃんの事情

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二人が店を出て、女ははしゃぎ出した。 「―さっ邪魔者もいなくなったし、さっさと店閉めてうち行こう?それとも智ちゃん家行く?それともここでする?」 甲高い声、香水の匂い。 ―吐き気がする。 「悪いけど、今日は帰ってくれる?」 「―え?だってさっき…」 ため息をつく。 「―誰が行くなんて言った?はっきり言って君みたいな女うんざりなんだよね。俺、ゲイだから」 「―はあ?」 女が激怒したのは言うまでもない。 (―何やってんだろうな、俺は…)
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