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「雅代さん、私は智ちゃんとは別れません」
「この結婚で東藤銀行の大きな利益になるの。お願い、あの子のためなの」
「雅代さん」
幸子は強く言った。
「智ちゃんのためになるかどうかは本人が決めることです。あなたが決めることじゃない。私達のこともあなたが関与することではありません。私は一生智ちゃんを愛していくつもりです」
幸子は息をついた。
雅代はしばらく黙っていたがゆっくり微笑み、
「そうですか。分かりました」
と言い、店を出た。
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