智ちゃんの事情

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「―まあ、家は寝るだけだから」 「そうなんだ…家具が最低限しかないもんね」 幸子はまだキョロキョロしながら立っている。 「そこら辺座って。こんな物しかないけど」 幸子に炭酸水を渡す。 「―ありがとう…」 「―で?何でついてきたんだよ。藤原君と一緒じゃなかったのか?」 「―…」 幸子は何も言わない。 元気がない。 ―まさか… 「―もしかして、何かされた?」 「そっちこそ…女の人と一緒じゃなかったの」 ほぼ二人同時に話がかぶった。
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