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「「―え?」」
また被ってしまう。
「―いいよ、何?」
「―智ちゃんが、私を避けるから…寂しくて…ついやけになって藤原さんと仲良くするフリをしたの。―でも、私にはやっぱり無理だった。店を出てすぐお断りしたの。だいたい作家だからって私が好きになると思った?しかも作家は幼い頃の夢で今は記者が夢だし」
智和は苦笑した。
「―何笑ってんの?」
やはり幸子は幸子のままだ。
「―いや、ごめん。俺が甘かったかな」
正直、安堵している自分がいた。
「―それと、何か智ちゃんの様子、おかしかったから気になって」
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