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認めたくなかった。
俺より一つ下の、同じポジションの奴が試合に出れて俺が出られないなんて。
分かりたくなかった。
あいつを憎んでたはずの気持ちがいつしか変わっていたなんて。
だから、傷付けた。
深く、深く、何度も、何度も。
同じ所を殴り続けていけば、あいつの白い肌には痣が残っていた。
同じ所を蹴り続けていけば、あいつの意識は朦朧としていた。
こうするしかなかった。
仕方ないんだ、じゃないと俺が壊れてしまうから。
"不動明王"という、一つの人格が壊れてしまう気がしたから。
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