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「うーん、俺さ。なんのかんの言ってももう慣れたと思ってた。うん」
神妙な顔をしたカヅキが腕を組んだまま、まるで自分に言い聞かせるみたいに呟いた。
それを横で不思議そうに見つめている冬史郎。
「おーいエンドー」
「無人島だよ?無人島。こんなとこでさーお茶会開くとか、その発想はなかったわ」
「エンドー!エンドー!」
「なんすか先輩!なんなんすかこれ!」
「聞こえてんじゃねーか!先輩シカトするとかお前いい度胸だな」
いつの間にか椅子から立ち上がって明良は怒っていた。
さっきまでカッコつけていたのが台無しである。
「心配するな遠藤」
明良を諌めて、今度は咳払いをした政臣が立ち上がる。
彼の言動の意味がいまいちわからなくて、カヅキと冬史郎は首を傾げた。
「大方遠藤が心配しているのは予算だろう。問題ない」
「え、ちょ…」
冬史郎が口を開くも、政臣の言葉の方が早かった。
「これらは全て俺たちの『おこづかい』でまかなっている」
「「え…?」」
ぽかんと、カヅキと冬史郎は口を開けた。
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