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意味が分からん意味が分からん意味が分からん!
カヅキがパニックになりながら立ち上がろうとして腰を浮かすと、突然キスをかましてくれた美男子は苦笑を浮かべていた。
苦笑ってアナタ…苦笑ですんだらケーサツはいらんのですよ。
本気で意味がわからんのですよ。
「なん…なんで…は?…はぁ?」
目を白黒させて、意味のなさない言葉を発するカヅキの手を、いつの間にか美男子が取っていた。
しかも、いつの間にかひざまずいている。
何度も言うが、意味が分からん。
「本当にすまない。お詫びは必ず…。まさか自分でも思わなかったんだ」
一目惚れするなんて
…真剣な眼差しでそう言った美男子の最後の言葉を、カヅキは上手く飲み込めなかった。
ただ一つ脳裏をよぎったのは、やっぱり耳ざわりのいい声だと言うこと。
って、バカ!
現実逃避ですよバカ!
真っ白になりながら、カヅキはなぜだかウッスラと微笑んだのだった。
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