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ドッグ内の(一方的な)闘いから数時間後、
御幸(みゆき)はブリーフィングルームへ来ていた。
そこには既に二人ほどが既に席に着いていた。
質素な椅子に座って本を読んでいるメガネの少女はスカイウォーカー隊隊員、加井 優衣沙(かい ゆいさ)。
茶色の短髪をカチューシャで前髪を上げ、戦闘に向かないと思えるほど物静かな彼女は、スカイウォーカー隊の特攻隊長だ。
矛盾してはいるが、その理由は後で分かるだろう。
そして、一番後ろの席で椅子を繋げ、ベッド状にし、意地でも快適な眠りを得ようとしているのは、同隊員、五神 梶(いかみ かじ)。
御幸はその二人の内優衣沙の方へ近づいて行くと読んでいる本を覗きこむ。
「うお、なんだこりゃ」
正直、同年代の学生が読むにしては難しすぎる……というか、御幸には理解不能なレベルの内容だった。
その驚きの声でやっと優衣沙は御幸の存在に気づいたらしくバッ! と御幸の方へ振り返ると、
「はっ! わ、わわ……すいません!」
……何やら謝れてしまったが……。
どうしよう、と考えた挙げ句、お辞儀を仕返す御幸。
そして、お辞儀のまま固まる両者。
しばらくそのままで固まっていると不意に、
「オイーッス……あれ? お前等何やってんの?」
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