210人が本棚に入れています
本棚に追加
コックピットの固い椅子に深く座りながら御幸(みゆき)は、
「全く、少しは乗り心地を考えてほしいよ」
と愚痴りながら計器系を点検する。
通常、それらの点検は整備員が既に点検しているが、御幸的には自分で確認しないと安心できないのだ。
今彼がいるのは彼が操る機体『wacoal』のコックピット内だ。
無数のディスプレイやらなんやらがコックピット内で星の様に瞬いている。
御幸はそれらを見渡し。
特に意識せず、
「(……良し、問題無し)」
そう呟き、少し安堵するが、その直後に最早後には退けないという恐怖が襲ってくる。
(毎回の事だけどやっぱこの感覚は慣れないな)
しかし、この恐怖が有るからこそ、戦える、とも思えると御幸は思っている。
そんなことを考えていると、ヘルメットについているインカムから、
『出撃時間が迫っています。カタパルトへ接続しますので衝撃に注意してください』
……衝撃なんてほとんど無いだろう。と心の中で呟く。
スカイウォーカー隊に配備されている機体『Walker』は通常の機体と異なり、長距離の滑走路を必要とせず、カタパルトから射出することでテイクオフすることが可能な機体だ。
……まぁ、何のためかは知らないが。
最初のコメントを投稿しよう!