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海上からの機銃掃射をかい潜り、旋回しつつレーダーを見る。
自機の前方に、報告に無い二つのイレギュラーな反応が見られる。
恐らく、戦闘中の別空域から撤退したか、燃料切れで戻って来たのかもしれない。
もしくは敵艦隊が不祥事――つまり『Walker』の襲撃に驚き、慌てて帰還させたのかも知れない。
とは言え、やることは一つ。
「こちら00(ダブルオー)敵機を二機発見、これより撃破する」
もちろんこんな事を言った所で意味など無い。
無線は通じていないのだから、殆ど独り言に近い。
が、彼としては訓練校ではこうしろと言われたし、どうせ聴かれやしないが、レコーダーに記録はされる。
無駄では無い、とは言い切れ無いが、それでもやらないよかはマシだ。
機首をレーダーに映る敵機の方向へ向け、スロットルを上げる。
直後、莫大な重力が体を押し潰すそうとするが、問題無い。宇宙服の様な特殊なパイロットスーツが体を守ってくれる。
視界の端で爆炎と共に、敵強襲艦が一隻、沈んで行くのが見えた。
スカイウォーカーの内の誰かがやったのだ。それ以外はありえない。
なぜならこの空域に展開している味方部隊は、『スカイウォーカー』しか居ないのだから。
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