MONOTONE

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「あ…」 どうやら眠っていたらしい ちゃんとベッドで寝ていたが、 床についたに記憶がない 窓を開けると、やはり森が広がっていた 「夢じゃなかったか」 そうボソッと呟いた コンコンとノックの音がした 「レイアでございます。リリム様がお呼びでございます」 行きたくなかったが、行くしかなかった 「あ、わかりました」 ドアを開けるとレイアが立っていた そしてレイアに連れられ、中庭へ リリムは昨日と同じ用に、椅子に座って飲み物を飲んでいた 「おはよう。よく眠れたかしら。…その様子だと言うまでもないわね」 こちらも見ずにリリムが言う 「目玉を渡します。帰りたいです」 もうこれしかない 目玉1つで地獄から抜け出せるなら… 「交渉成立ね。」 リリムは立ち上がり、僕の前まで来きた 僕より少し背が低く、華奢な体つきだ リリムはそっと僕の目に手をやる ギュッと目をふさいだ 体が震えていた ―怖い ただそれだけだった 「っ」 一瞬激痛が走り、僕はひざまずいた 「終わったわ。約束通り、あなたのお家まで送ってあげる。」 パアッと僕の周りが光り始めた 「ひとつ言っておくわ。下界に帰れても、あなたの居場所があるかわからないわよ。少し魔力をあげるから、困った事があったらまた来なさい。」 そうリリムが言ったと思うと、世界が真っ白になり、気がつくと家の玄関の前にいた ガチャ ―あ、そうか登山いってたっけ 仕方なく合い鍵で玄関を開けると、見慣れない靴があった 「こんな靴あったかな」 ガラッ 居間のドアが開く音がしたと思ったら 知らない女の人がこちらを見ていた 「あれ…誰だ?」 「え…お兄ちゃん?」 固まったように棒立ちした女の人はボソッと言った
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