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「そうだ!美咲を生き返らせてくれよ!あんたならできるだろ!」
美咲を抱えたまま、僕はリリムに叫んだ
「やぁよ」
―え?
「そんな面倒な事なんでしなきゃならないの?それにその人間は邪魔だったの。死んでくれてよかったわ」
―は?
「まさか私が助けるとでも思ってたわけ?笑っちゃうわ。」
そう言って笑う
僕は美咲を優しくおいて剣を持った
「助けろ…でないと…」
怒りが収まらなかった
「でないと何?ソレで私を斬るの?脅しにもならないわ。やってみさいよ。ホラ」
リリムはそう言って腕を広げる
「どこでもいいわよ。腹でも胸でも首でも。切ってみさないよ。」
僕はリリムに切り掛かった
ガン!
まるで石に刃を立てるような、鈍い音がした
斬るどころか、傷一つ付いていない
「そんな出来損ないの玩具じゃ、私は斬れないわよ。」
僕はリリムの足元にひざまずき、泣き崩れた
「あ…うう」
「生き返らせる方法が無いことはないわ。あなたが神になればいいのよ」
リリムがまた訳のわからない事を言っていた
わからない事では無かったかも知れない
これだけ訳のわからない事がおきているのだから
でも、今の僕には悲しみでそんな余裕は無かった。
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