20人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は泣きながら気絶していたのか、いつの間にか部屋のソファに横になっていた
「う…」
荒れ果てた部屋は全て元に戻っていた
悪魔の死体も無かった
…美咲も
「おめざめ?」
リリムの声がした
「泣いてのびちゃうんだもの。掃除とか後片付け大変だったわ。レイアを連れてこればよかった」
「…美咲をどこへやった?」
僕は鋭い目をして聞いた
「言ったでしょ?片付けたのよ。悪魔に殺された人間をほっておけないもの」
淡々と答えてくれた
人を物のように言うリリムに飛び掛かりたいくらい腹がたった
「あなたは大切にしてるのよ?だからこうして助けに来たんじゃない。感謝しなさい」
リリムは僕の座っているソファに座る
「よるなっ!悪魔のくせに!」
僕はリリムを突き飛ばした
「いたっ」
リリムは尻餅をついた
「何するのよ。それに悪魔だなんて失礼しちゃうわ。」
リリムの白い翼が部屋を覆った
「天使…?…っ!?」
白い翼が赤黒く染まっていく
「私は白き者にも黒き者にも属さない者。堕天使と呼ぶ人間もいたけれど、正確にはそうではないわ。」
美しく思うほど赤黒く光る翼に言葉が出なかった
「あなたの創造の力、強めたいと思わない?あなた次第では死んだ人間も復元できるようになるわ。それ程の力なの」
―本当かよ、それ
「僕に構うなっ!帰れ!君に会った時から僕の世界は壊れたんだ。帰れ!」
リリムに向かって叫んだ
しばらく沈黙がつづいた
「…わかったわ。でもね、これからもあなたを狙って悪魔がくるわよ。力が必要なら来なさい。部屋の門は開けておくわ」
リリムはそう言い残してでていった
最初のコメントを投稿しよう!