MONOTONE

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僕は泣きながら気絶していたのか、いつの間にか部屋のソファに横になっていた 「う…」 荒れ果てた部屋は全て元に戻っていた 悪魔の死体も無かった …美咲も 「おめざめ?」 リリムの声がした 「泣いてのびちゃうんだもの。掃除とか後片付け大変だったわ。レイアを連れてこればよかった」 「…美咲をどこへやった?」 僕は鋭い目をして聞いた 「言ったでしょ?片付けたのよ。悪魔に殺された人間をほっておけないもの」 淡々と答えてくれた 人を物のように言うリリムに飛び掛かりたいくらい腹がたった 「あなたは大切にしてるのよ?だからこうして助けに来たんじゃない。感謝しなさい」 リリムは僕の座っているソファに座る 「よるなっ!悪魔のくせに!」 僕はリリムを突き飛ばした 「いたっ」 リリムは尻餅をついた 「何するのよ。それに悪魔だなんて失礼しちゃうわ。」 リリムの白い翼が部屋を覆った 「天使…?…っ!?」 白い翼が赤黒く染まっていく 「私は白き者にも黒き者にも属さない者。堕天使と呼ぶ人間もいたけれど、正確にはそうではないわ。」 美しく思うほど赤黒く光る翼に言葉が出なかった 「あなたの創造の力、強めたいと思わない?あなた次第では死んだ人間も復元できるようになるわ。それ程の力なの」 ―本当かよ、それ 「僕に構うなっ!帰れ!君に会った時から僕の世界は壊れたんだ。帰れ!」 リリムに向かって叫んだ しばらく沈黙がつづいた 「…わかったわ。でもね、これからもあなたを狙って悪魔がくるわよ。力が必要なら来なさい。部屋の門は開けておくわ」 リリムはそう言い残してでていった
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