MONOTONE

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丸く、機械的な門からリリムが出てきた 「レイア、帰ったわよ。遅くなってしまったわ」 返事が無かった 「レイア?どこにいるの?」 その瞬間、リリムはハッとした 「つ…しまった!私としたことが」 主の居ない家が攻められる事ぐらい把握しておくべきだった リリムは急いで中庭に向かった バン 大きなドアを片手で叩きあけた 「おかえりなさいませ」 そこには返り血を身体中に浴びたレイアと、無数の白き者の亡きがらが転がっていた 「すいません、数が多かったので出向けませんでした」 何を心配していたのか レイアがそうそう殺られるはずが無かった 「いいわ。無事で何よりよ。早く片付けなさい。コーヒーが飲みたいわ」 そう言うといつもの椅子に座った 「はい。少しお待ちください」 レイアは少し動揺していた リリム様が私を心配していた いつものリリム様には有り得ない事だからだ 他者は他者、自分は自分。 他がどうなろうが、関係ない それが、リリム様 ―近いのか 片付けが終わった頃、ふと、リリムが言った 「…また近づいているわ。次はそうそう戻るかわからないから、いざとなったらあの子を呼びなさい」 少し不安な表情だ 「あの人間…ですか」 レイアはあまり人間が好かなかった だが、主人の為である しばらくリリムを見た 「わかりました。お任せください」 そう言いながらレイアはコーヒーを差し出した
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