黒き翼は白く輝く

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「あなたもこちらにきて座りなさい。立ちっぱなしも疲れるでしょう。レイア、俊君にもコーヒーを」 僕はリリムの向かいの椅子に座った 「コーヒーは嫌い?」 首をリリムは傾げた 「いや、大丈夫…」 リリムがいつもより優しく見えた。いや、優しかったのか。 「私ね、コーヒーが大好きなの。…最初は苦くて飲みづらかったけれど」 手に持っているコーヒーを見つめながら言う 「人間の飲み物だけど、ね。さて、本題に入ろうかしら」 レイアがコーヒーを僕の前に置く 「あなたの力はまだ未熟よ。でも鍛練を詰めば使いこなせるわ」 僕の目をリリムが見る それに僕は俯いた 「僕の力は一体どんな力なんだ?僕は何者なんだ?」 リリムはコーヒーを一口飲んで、質問に答えた 「この創造神の世界に現れたもう一つの創造神。あなたは それ にも管理されなければ、 それ によって消される事もないわ」 僕は理解したが、わからない顔をしてみた。 「そうねぇ、簡単に言うなら小さな神ってところかしら」 リリムは丁寧に説明してくれた 「だいたいわかったけど、僕はこれからどうすれば…」 一番抱えていた事を聞いた どうすればいいかわからない 「あなたは私が守ってあげる。そのかわり、私に協力して欲しいの。もう近いわ。その力で私の力を押さえて」 「…何が近いんだ?」 その質問をした時、悍ましい気配がリリムの後ろからした 「力の暴走ですよ」 「!!」 悪魔…瞬時にわかった 人の形をしているが、顔はまるでミイラのようだ 「カーマイン…何の用?」 リリムは立ち上がり、少し身構えた レイアにはいつもより余裕が無い事が見てとれた 「やはり、衰弱していらっしゃるという噂は本当のようですね」 黒いタキシードのミイラは少しこちらへ歩みよる 「私の侵入に気づかない程とは。今のあなたなら…たやすく殺せる!」 その悪魔は、満面の笑みで腰のサーベルを抜いた 「…相変わらず顔面凶器ね。いいわ、相手してあげる」 リリムがその言葉を言うと同時に、レイアが剣を差し出す 「黒き者滅却用の剣よ。触れただけであなたは消滅するわ」
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