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それは無から突然発生した 無から発生したそれは全てを自在に、そして自由にできる。 それはまず、己に力と知恵を与える。 やがて、それは無に色を造り、世界を造り、生と死を造る。 それは次々と、まるで子供の工作のように想像し、創造する 想像したものは全て創造し、そして知恵と力を与えた。 だが、それは己に感情が存在しない事に気づく。 やがて楽を造り、楽しむ事を己に造る。 だが、己が生み出した者には喜怒哀楽を与えた。 やがて己の世界を造り、己に近い存在を造った。 白き者と、黒き者。 これらは小さな創造力をもつ。 白き者には、絶大な知恵と力と喜怒哀楽を。 黒き者には、知恵と絶大な力と喜怒哀楽を。 それらを従わせ、楽しんだ だが、それも飽いてきた。 それは白き者と黒き者に生死を与える それは白き者と黒き者を戦わせ、楽しむ しかし、それは創造する力は持つが、抹消する力はもたなかった。 やがて、白き者と黒き者はそれに従わなくなる だが、それを それ は楽しんだ。 そして、それは繁殖能力のある者を造る。 白き者と黒き者は無をもつ者にとびついた。 繁殖能力は、絶大な力である事はこれらにはすぐにわかった。 ある白き者は知恵の実を造りだし、無をもつものに大量に与えた。 偉大な知恵をもつ者はやがて己に人と称し、それ には神、白き者には天使、黒き者には悪魔と称した いわば、人は名を造ったのだ やがて神は長き眠りにつく。 いや、眠らされた と言うのが正しいだろう 天使と悪魔はお互いを憎み、神を憎むからだ 感情の存在するかれらは、己が楽しむ為に命を弄ぶ神が許せなかったのだ。
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