黒き翼は白く輝く

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僕はリリムの後ろに下がった ―リリム…大丈夫なのか? 「サタナエル殿、あなたの中の黒き者たちの力…私が貰う!」 カーマインは己の影から、ケルベロス出現させた ―あれは 「あの時の三首犬!あいつの下部だったのか!」 怒りが込み上げてきた 「あいつのせいで…」 ケルベロスはリリムに飛び掛かった リリムはそれを回避し、真ん中の首を切り落とした 「なめないで。こんな小物なんて相手にもならないわ」 ケルベロスは焼けるように消滅してゆく 「エクスカリバーですか。それは怖い…。私は怖いから…代わりに彼が相手になります」 リリムの笑みとは比べものにならない程、悍ましい笑いだった ズッ カーマインは身の丈6mはあるだろう、巨大な魔人を己の影から出現させた グオォォ! 泣き声で身体が麻痺する 「ちっ、メモリークラッシャーか」 レイアは腰のサーベルを抜いた 「リリム様、お下がりください!私が戦います!」 リリムの側までレイアが駆け寄った―その時 ブツン 「く…ああっ!」 リリムが頭を抱えて苦しみだした 魔人が何かしたのだろうか 僕には何が起こったのか分からなかった 「リリム様!」 リリムはその場に倒れて動かなくなった 「あ…リリムが…やられるなんて…」 ―絶体絶命だ。僕は死ぬ… 「サタナエル殿も知能を潰されては何もできまい。これで力は私のものだ。頂戴する」 カーマインが伸ばしたその手をレイアは切り落とした 「グガァ!貴様っ!」 カーマインは両手を切断され、血を流した 「リリム様にはふれさせん。顔面凶器…ここからは私が相手になる。」
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