黒き翼は白く輝く

6/16
前へ
/233ページ
次へ
「雑魚がぁ!メモリークラッシャー!叩き潰せ!」 だが、それは動かなかった 「…どうした?早くしろ!」 ズズッ…ズゥン その巨体は仰向けにゆっくり倒れた グチュッ! 魔人の中から音がした 「まさかっ、そんな馬鹿なっ!」 カーマインは明らかに怯えていた リリムの姿が無い ドス レイアはそのスキを逃さなかった 「ぐ…あ」 カーマインの身体が消滅してゆく グチュッ!グチャッ! その巨体の腹を食い破り、リリムは現れた。内臓が身体に引っ掛かっている 「ギキャァァァ!」 ガッ リリムは内臓を喰い漁っている 「うっ…おぇっ」 あまりのグロテスクさと、血の臭いにもの凄い吐き気がした 「始まってしまったか」 レイアの顔が険しい 完全に暴走するリリムはリリムでは無かった 黒い翼が月光で白く光り、鋭く長い牙、爪、目は大きく見開いている 悪魔そのものだった 「止めるぞ…人間」 レイアがこちらへ戻ってきた 「ど、どうやって…」 僕は腰が抜けてしまっていた 「…情けないな。私がリリム様をくい止めるから、その間にリリム様の知能を創造しなおしてくれ。お前にしかできない。そう長くはくい止められないぞ…」 ―そんなこと、力の使い方もよく分かってないのに! 「くるぞ…!」 レイアは震えていた 怖いのは同じだった リリムは食べるのを止め、こちらを向いた。 「ギシッ」
/233ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加