黒き翼は白く輝く

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僕はレイアがいつも案内してくれていた部屋で寝ていた 広い部屋だ。35、6畳ぐらいあるだろうか 赤い壁紙に大きな窓が4つある その広い部屋にシングルベッドが1つのみ 実に殺風景だ 僕は軽く着替えると、部屋を出た 廊下は長く、広い すぐ側に階段がある 廊下には見る限り僕のいた部屋一つ 僕はそばの階段をゆっくりおりた 歩く音が廊下に響く 屋敷全てを理解してはいなかったが、中庭までの道のりは分かっていた 20段ほどの階段をおり、その廊下を真っすぐ行った所が中庭に繋がっている 僕は廊下を下り終えると真っすぐ中庭に向かう その途中で、今まで気づかなかった扉を見つけた 「こんな扉、あったかな」 僕は気になったので、その扉を躊躇無しに開けた 部屋は暗く、何か物が沢山あるようだ 少し入ると、廊下の明かりで棚が見えた その棚にチャカマンが置いてあった 僕はそれで、扉の側にあるろうそくに火を燈した 「うわぁ…」 そこにはいつの時代の物かわからないが、鎧や兜、剣、盾、槍、沢山の兵士の道具が並べられていた 僕は少し鑑賞しながら部屋を回った ふと、その物置の奥に古びて錆びた鉄の扉があった 「なんだあれ」 好奇心旺盛になっていた僕は開ける事を試みたが、錆びていて開かない どうしても開けたくなった僕は、近くにあった鉄の剣でこじ開ける事にした ゴリッ…ギキィ 「開いた!」 その声が辺りに響く その中はさらに暗い 「電気ぐらいつけろよ」 魔界なのに訳のわからない文句を言いながら、ろうそくを手にとって中を照らした 「…?なんだこの部屋」 明かりがろうそくなので、視界が悪い。片目だから尚更だ。 部屋の床には紋章のような印が見える 「死体が転がってるとか止めてくれよ…?」 僕は恐る恐る中に入った ゾクッ 寒気がした。そのろうそくが届かない前方から ―何かいる…! ろうそくをその方向へゆっくり向けると、青い目が光った 「…誰かいるのか?」 勿論、人間では無い事はすぐに分かった
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